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フィリピンを学ぶ ‐政治‐【フィリピン留学】

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経済成長が著しいアジア諸国ですが、その一方で様々な問題を抱えています。そこで今回はフィリピンの政治についてご紹介します。

 

CONTENTS

 

 

GNP上昇と豊かさの溝

 

フィリピンでは、毎年少しずつGNP国民総生産が上昇を続けています。GNPの上昇は豊かさを表すので、生活の質の向上が期待されますが、実際は、格差が広がっています。一部の富裕層に富が集中しているのです。そのため、フィリピンのGNPの上昇は国民全体の豊かさを現すものではありません。

 

冨の集中

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フィリピン政府公式認定 語学学校NILS

 

プランテーション経営など、大規模農園の経営者は森林の伐採と農園の拡大によって更に豊かになっていきます。しかし、環境破壊による天災が起こるようになり、フィリピンでは特に大雨の際の洪水が問題になっているのです。経営者たちは農園が洪水に遭うと、新たに森林を伐採して拡大を続けており、それがさらなる洪水被害を生み出す問題になっています。

 

貧しい暮らし

 

このような無計画な農園の拡大により、下流域に暮らす貧しい人々は洪水被害に苦しみます。しかし、経営者の暮らしには無関係とされ、さらなる被害と格差の拡大を生んでいるのです。

 

政治と経済の関係

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フィリピン政府公式認定 語学学校NILS

 

環境破壊や国民の貧しい暮らしは、本来は政治の介入により改善されるものです。しかし、ここで問題になるのがフィリピンの政治家の構成する人たちです。フィリピンでは、富裕層が政治家として活躍していることが多く、農園の拡大による洪水被害に対して法整備が進まない悪循環が生まれています。

マルコス統治時代、アキノ政権(1986~1992年)、ラモス政権(1992年~1998年)と改善されることなく、富が一部に集中する経済システムが維持されていきました。エストラーダ大統領(1998年~2001年)の時には弾劾裁判に発展するほど、フィリピンの政治・経済が悪化しました。

 

ピープルパワー

 

第2エドゥサ革命と呼ばれる市民の動きが原動力となり、アロヨ政権が発足します。貧困対策、雇用の改善、経済の見直しなどを積極的に行ない、2004年の再選を経てフィリピンの抜本的な改革が行なわれました。2010年アキノ3世が民主主義国家としてフィリピンの政治体制を強化し、経済政策においても努力を続けています。2016年にはドゥテルテ大統領となり、新たな体制で現在に至ります。

 

まとめ

 

このようにフィリピンでは、長く続いた政治政策の偏りにより、経済に深刻な影響が出ています。格差が広がる社会では多くの国民が犠牲になるのです。政治や経済の在り方についても考えていくことが大切です。

フィリピン政府公式認定 語学学校NILS