フィリピンを学ぶ ‐フェアトレード-【フィリピン留学】
フィリピンでは経済成長が続く一方で、貧困が問題となっています。そこでフェアトレードの積極的な導入による経済的自立への取り組みがなされています。今回はフィリピンのフェアトレードについてご紹介しましょう。
CONTENTS
フェアトレードの背景
フィリピンでは日本のNGO団体がフェアトレードの普及活動をしています。マニラには様々な団体のフェアトレード商品を扱うスペースがあり、若い女性を中心に注目を集めているのです。フィリピンのフェアトレードの背景について以下にご紹介します。
<高度経済成長>
フィリピンは近年、急速な経済成長を続けています。以前はアジアの中でも貧しい国として知られていましたが、GNP国民総生産の順調な上昇などを見ると、確実に経済力が強化されていることがわかります。
<小作人の労働力の搾取>
高度経済成長の陰で、一部の経済的強者への富の集中が深刻な経済格差を招いています。その一つが、農業の在り方の問題です。フィリピンには大規模なプランテーションが多くあり、地主や経営者が収益をあげる一方で、小作人として農民たちが能力と技術の搾取に遭っているのです。このようなシステムはかつて世界で多くみられた封建的なものです。
フェアトレードの重要性
フィリピン国内で一部の経済的強者による労働力の搾取だけでなく、日本を含む先進国との取引の中で公正でない部分があるのです。それにより、貧困に苦しむ人たちに適正な賃金が行き渡りません。そこで導入されたのがフェアトレードです。互いに適正な価格で取引をすることで、どちらか一方が利益を上げるのではなく双方が対等な取引きをすることができるのです。
フェアトレード製品
フィリピンでフェアトレードに適した作物として選ばれたものの1つがコーヒーです。コーヒー栽培は農園を森林の伐採をせずに設営できるため、環境破壊が問題になりません。その方法として注目されているのが、コーヒーの森林農法です。山岳地帯に暮らす少数民族にコーヒー栽培を指導して、適正な価格で買い取ることで労働力や賃金の搾取のないフェアトレードが実現します。
その他、南国の甘い香りが印象的なココナッツオイルを使用した食品や化粧品、スーパーフードとして話題になっているモリンガを使った健康食品などもフェアトレード製品として適しており注目が集まっています。
<フェアトレードで注目される商品>
・コーヒー
・チョコレート
・ココナッツオイル製品・化粧品
・モリンガ製品
・絹製品
・刺繍雑貨*
・皮革製品**
・その他の食品
*、**…民芸品を現代的にアレンジした製品など
まとめ
このようにフィリピンでは、日本のNGO団体によるフェアトレードの普及活動がすすめられています。留学中にフィリピンで日常使いするもの、また、帰国の際のお土産にフェアトレードの製品を購入することで、どなたでも社会貢献できるのです。
フェアトレードの製品は管理が行き届いており、品質の良さ、地域性の特色を活かすデザインなどがなされています。社会貢献だけでなく、1つの製品として長く利用することができるのです。帰国後はウェブショップを通じて継続的に購入することで、フィリピンとのつながりを維持することもできます。フェアトレードを通じて私たち1人1人の力で社会を変えていくことができるのです。