デング熱とマラリアについて【フィリピン留学】
フィリピンは熱帯性気候に属する南国の島々からなる国です。温暖な気候のため、日本では珍しいデング熱だけでなくマラリアに感染することがあります。そこで今回は、デング熱とマラリアの症状や対処法についてご紹介します。
CONTENTS
蚊を媒介する病気
デング熱やマラリアは熱帯の熱い地域で見られる病気です。2つの病気に共通することは、蚊を媒介して感染することです。蚊は、特に水害の後に大発生します。フィリピンは6~11月に雨季があり、また、台風がよく通過する国です。しかし、水害の対策が日本ほど進んでいないため、大雨が降ると街のあちこちで冠水します。大きな洪水でなくても街が冠水するため、蚊が発生しやすくデング熱やマラリアに感染する確率が上がるのです。これらは重症化することもあるので、必ず病院を受診してください。
デング熱は日の出前から日中、薄昏までの明るい時間帯、マラリアは夕暮れから深夜、夜明け前の暗い時間帯にそれぞれ活発に活動します。
デング熱
デング熱は蚊を媒介する病気です。潜伏期間は5~6日程度で、発症すると急激に40℃程度の高熱になることが特徴です。その他の症状としては、発疹、頭痛、骨関節痛、嘔気・嘔吐などがあります。~1週間程度で熱が収まりますが、そのタイミングで発疹が出ます。稀に重症化してデング出血熱に至ると命に係わることがあるので、デング熱と思われる症状が出たら速やかに病院を受診してください。
<ネッタイシマカ>
かつては日本でも見られたヤブカの一種で、全身に白と黒の縞があります。人の生活に密着した生体をしており、俊敏な動きが特徴です。日の出前や日の入直後のぼんやりと明るい時間帯と日中に活動します。
マラリア
マラリアは、マラリア原虫を体内に持った(マラリア患者の血液を吸ったもの)蚊によって媒介される感染症です。そのため雨季には、パワラン島、南部のミンダナオ島の一部地域でみられます。潜伏期間は1~4週間程度、40℃近い高熱、強い悪寒、頭痛、嘔吐、関節痛、筋肉痛などの症状がでます。症状の強い時期とそうでない時期を繰り返すことが特徴です。マラリアには種類があり、特に怖いのは熱帯熱マラリアです。場合によっては命に係わることがあるので24時間以内の迅速な処置が必要です。高熱が出たらすぐに病院を受診してください。
<ハマダラ蚊>
マラリアはハマダラカの蚊によって媒介されます。主に、夕暮れから夜明けの時間帯に動きが活発になります。マラリアを媒介するハマダラ蚊は、羽に白と黒の段だら縞があり、逆立ちするような姿勢で人を刺すことが特徴です。
デング熱、マラリアを防ぐために
長袖長ズボンなどで肌を被ったり、虫よけローションやスプレーを使って対策をしてください。蚊は黒い色に集まる傾向があります。白っぽい色の服装をしましょう。また、素足でサンダルやビーチサンダルを履くのではなく、ソックスと靴を履くことで肌の露出を減らしましょう。また、肌の露出を避けることはフィリピンの強い陽射しから肌を守る効果もあります。防虫対策と日焼け対策をして、健康で快適な留学生活にしましょう。
まとめ
このように熱帯性気候のフィリピンでは、日本では珍しいデング熱やマラリアに感染することがあります。水害だけでなく、道路が冠水した後は特に注意が必要です。一般的な風邪や食中毒と違い強い症状が出ますので、疑わしい時は速やかに病院を受診しましよう。