エリートのビジネスパーソンの「自分は大丈夫」は本当に大丈夫なのか? -読書会・勉強会・ビジネス書・終身雇用の終焉・意識高い系・ファシリテーション-【コラム・大人の教養】
ビジネスパーソンとして意識の高い人たちは、
・朝活
・セミナー
・読書会
など様々なスタイルで自分自身を高める努力をしています。
「意識高い系」ともいわれるこれらの人々は、とても熱心に活動しています。
「意識高い系」のうちの多くは、
全労働人口の10%以下しかいない年収600万超のエリート
ともいえるビジネスパーソンたちですが、
今回は、筆者が彼らと共に学ぶ中で感じたエリートビジネスパーソンが陥りやすい
「自分は大丈夫」
という自信は本当に大丈夫なのか?
について考えていきます。
CONTENTS
意識高い系のビジネスパーソンたち
筆者が参加したのは話題のビジネス書を読んでファシリテーションをする読書会スタイルの勉強会です。
50人以上の人が同じ本を手に終業後に会議室に集合。
各テーブル
6~8人
うち1人のファシリテーター
をたてて2時間のファシリテーションがスタート。
集まった面々は正にエリートばかり。
・国家公務員、
・旧帝大卒メーカー勤務、
・国公立大学院卒メーカー勤務、
・社会労務士
・派遣社員
など。
会議室ではすべてのテーブルが一斉にファシリテーションを始めたために、とても賑やかな滑り出し。
大きな声で話さないと聞こえないほどの熱気だった。
本当に「自分は大丈夫」なのか?
ファシリテーションの様子を見ていて感じたことは、エリートと呼ばれる者の危うさだった。
自信たっぷりに話す様子からは、
しっかりとして意見を言っている
ような印象を憶えるが、よく聞いていると
・本に書かれていたことをそのまま話す
・「一般的にはこう考えますから」とマジョリティに頼る
という、テストの上では優等生だった感が強かった。
・きちんとした見た目
・自信に満ちた話し方
・具体的な数字を用いる
などが、優秀さは印象でしかないことに気付く。
若い派遣社員の女性が
「それ、本に書いてありましたよね、ご自身の意見を言ってください」
と繰り返し言っていた姿を見て、こちらの方が優秀だなと思った。
彼女は3度目に「感想でもいいですから、ご自分の言葉で」とあきれたように言ったが、結局その感想も本に書かれていた内容を上手にプレゼンするだけだった。
多分、発言していた一流メーカー勤務の彼は、自分が何も言えていないことに気付いていないのだろう。
彼女に指摘されても、
本に書かれていることを話しているだけでは不足だ
という認識がないから、
「あの子は俺に別のことを言って欲しいのかな」
という風に、自分が趣旨の読み間違いを指摘されていることにさえ気付いていない。
中にはしっかりと独自の意見や感想を言った人もいたが、ほとんどがこのような感じで、
ファシリテーションは一見盛り上がっているが、中身は本から抜粋したことを自分の意見のように思い込んで話しているだけだった。
「自分は大丈夫」は本当に大丈夫なのか?
ここで筆者が思ったことは、
エリートと言われる人たちの自信の根源がステータスにあるためではないか?
ということだ。
・旧帝大卒メーカー勤務
・国立大学院卒メーカー勤務
・国家公務員
などのステータスが確立していて、自他ともに認める優秀な人材であるという自負だ。
一方で、派遣社員の彼女は「自分は大丈夫」だとは思っていないという趣旨の発言をしていた。
・薄い福利厚生
・非正規雇用
・ボーナスなし
で「自分はこのままではいけない」という意識があるから勉強に来ていると言ってもいい。
だから彼女は
必死で本を読み、
自分で考えて意見を言い、
人の意見にも耳を傾ける。
しかし、エリートたちは
優秀な自分をマウンティング
しに来ているにすぎないのだ。
今こそ学ぶべきタイミング
確立したエリートのレールの上に載っている以上、「自分は大丈夫」なのだろう。
しかし、終身雇用の時代は終焉し、公務員を除く多くの企業で40歳以上の退職者を募っている。
それは大企業でも例外ではなく、名だたる企業たちがこぞって早期退職という名の首切りまがいのことをしているのだ。
この日見た「自分は大丈夫」だと思っているエリートたちは、現在30歳から40歳子前後。
はたして彼らは40歳以上になって1000万近い給料を払い続けてもらえる対象になれるのか、今がまさに「意識」を高く持って学ぶべき時なのかも知れない。